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2021-09-10

やさしいあかりと過ごすナイトルーティーン

1日がおわり、街に明かりが灯る時間帯。家に帰ってからのくつろぎのひととき。大切な夜の時間のナイトルーティン。

「家族で食卓を囲む」「お気に入りのアロマをつけて、音楽を聞く」「お風呂にゆっくり浸かる」「ベッドに入り、休日に買った本を一週間かけて読む」・・・いろいろありますね。このような夜のシーン。どのような「あかり」を思い浮かべますか?

ナイトルーティンは、1日の疲れを癒やし、眠りに入るためのイントロ。
「あかり」は、このイントロの段階で欠かすことのできない、おおきな役割を果たしています。「光」と「人間の本能」には、切ることのできない深い関係があるからです。

「光」と「人間の本能」の関係は、照明づくりには欠かすことのできない要素。わたしたちDI CLASSEは、照明デザインをする中で、いつもこの関係のことを考えています。

人間の歴史に寄り添ってきたのは火の光

焚き火の炎

今回のテーマ、「ナイトルーティンのあかり」に触れるために、まずは「光」と「人間の本能」についてお話しします。

人間と光が出会ったのは、はるか昔50万年前。マンモスがいた石器時代です。それ以前にも人間は、月や星の光や、自然発火で発生した光を見てきたことと思いますが、「人間が光を使った」と考えられているのは石器時代。もちろん電気などはないので、その光源は「火」です。火の光によって、人々は夜の暗闇の不安から解放されました。何も見えない恐怖を照らしてくれた火の光に、人はどれほど心強さや安心を感じたことでしょうか。

そこから長い間、人間は火を光源として利用していきます。日本の歴史ドラマでも、松明や蝋燭、行燈などであかりをとる様子をよく目にしますよね。これらの光源も全て火です。やがて服を着て流暢な言葉を話すようになり、立派な城や強靭な武器を作り出し、人間が進化していく中でも、光源は「火」のままだったんですね。

私たちが今使っている電灯が誕生したのは、たった150年ほど前。人間と火の付き合いは、電灯の何倍も長く、常に火は人間の進化を照らしてきてくれました。

こうして、「光」は、人間の本能にすりこまれた、大切な存在であり続けてきました。

照明の質は自律神経の働きを左右する

照明は、人間の自律神経に影響を与えます。

自律神経とは、人間の心と体の動きをコントロールする神経のこと。心と体を活発にする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2種類に分かれています。活動する時には交感神経を活発に、体を休める時には副交感神経を活発にと、人間の体は自律神経を切り替えることで、普段の行動をコントロールしています。

では、ナイトルーティンで活発にしたいのはどちらの自律神経でしょうか。ナイトルーティンは眠りの準備段階で、体と心をリラックスさせていく時間です。副交感神経が活発になれば、人の心と体はリラックスし、自然と眠りに入りやすくなります。

照度と色温度の低い照明は、副交感神経を優位に

照度と色温度の低い照明は副交感神経を優位に

ナイトルーティンで活発にしたいのは、副交感神経です。ではどのようにしたら、副交感神経が活発になるのでしょうか。

照明の選び方ひとつで、わたしたち自身の副交感神経を活発にすることができます。ポイントは、照明の”照度”と”色温度”です。

照度と色温度の低い照明、色合いで言うと、暖かいオレンジ色の光を浴びることで、副交感神経が刺激され、心と体がリラックスしてきます。ナイトルーティーンをこのあかりで締めくくり、眠りにつくことで、催眠作用を持つホルモン、メラトニンが多く分泌され、その結果、免疫力アップにもつながります。

逆に、照度が高い照明、眩しい青白い光を浴びるほど、人間の意識は覚醒し、交感神経が刺激され活発になります。その結果、心拍数や血圧が上昇してきます。つまり、照度と色温度が高い「眩しい青白い光」は、心と体が目覚めてしまい、シャキッとしてしまいます。こちらはモーニングルーティーンに欠かせない光、と言えるかもしれません。

副交感神経を活発にして、よく眠れるようにするためには、照度と色温度が低い「少し暗めの暖色の光」の照明を選ぶのがおすすめです。

本能に刻まれた「少し暗めの暖色の光」

ベッドサイドのナイトランプ

「少し暗めの暖色の光」は、副交感神経を活発にして心をリラックスさせ、人の心と体を睡眠に入りやすくしてくれます。

それでは、「少し暗めの暖色の光」というと、どんな光が思い浮かぶでしょうか?

そう、「火」なんですね。

何十万年もの間、いくつもの家族の顔を、暖かな食卓を照らしてきた火の光は、その長い歴史の中で、人間の自律神経、つまり本能にまで影響を与えるようになったと考えられています。50万年前の火の光が先人たちに安心をもたらしたように、まるで火のような「少し暗めの暖色の光」は、現代の私たちにも安心と休息を与えてくれます。

といっても、現代では照明に火を使いません。しかし、電球の色や照明のデザインによって、光の質(照度や色温度)を選ぶことはできます。

ナイトルーティンにおすすめしたいのは、「少し暗めの暖色の光」の照明。
明るすぎず、やさしい火のような光は、空間を程よく照らし、人間の心と体を緩めてくれます。

ナイトルーティンには、火の光のような温かくやさしい照明を

癒しの空間を作る、明るすぎずやさしい照明は、DI CLASSEのものづくりの軸でもあります。ただ煌々と空間を照らすのではなく、かつての火のように人の心に寄り添う温かなあかりをデザインしています。

例えば、『エトワール テーブルランプ』『エトワール スモール テーブルランプ』に温かな電球色の電球をつけて、内玄関に。

エトワール テーブルランプ

星形のランプは、家族を家へと導く北極星。ガラスを通した光はやさしく、外の世界で緊張した心をホッとほぐしてくれます。

寝室の照明は多灯分散に。メイン照明を消し、傍らに『アクア テーブルランプ』を置いて就寝前の読書を。

アクア テーブルランプ

シェード越しの優しい光と、光に反射してきらめくガラスベースが、疲れた体を眠りへと誘います。

光の質だけでなく、プロダクトとしての照明設計にこだわったDI CLASSEのデザイン照明は、さまざまなテイストのインテリアにマッチし、空間をより素敵であたたかい雰囲気へと演出します。

近年では、「とにかく明るい照明を!」と部屋の隅々まで照らす白い照明を求められる方が多くなっていますが、暖色で少し暗めの照明にも、白い照明とは違った大きな魅力があります。夜、とりわけ就寝前には、そのような良質な照明を選びたいものです。「少し暗めの暖色の照明」は、ナイトルーティンに寄り添い、わたしたちに眠りの準備をさせてくれます。

広報 福岡

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